いきなり大家さんから家賃を上げるといわれました。

家賃の値上げはよくある話ではありません。「いきなり家賃を上げる」ということであれば更に稀なことだと思います。

家賃を上げることは、そう簡単にはいきません。家賃の値上げとは、貸主側に正当な事由があることが前提です。
また、法律（借地借家法）で定められた手順に従い、段階を踏んで進めなければなりません。
ですから、「いきなり家賃を上げる」と言ったとしても、それが認められることは不可能に近いため、よくある話しではないのです。

入居時に双方が合意の上で取り決めた契約とは簡単に覆すことは出来ません。それは、借地借家法という法律で定められています。
家賃の値上げが認められるのは、今までの家賃が相当ではなくなった場合です。
例えば、土地や建物に対する税金等の負担が増えたこと、土地や建物の価格が上昇したこと、その他の経済事情が変動したこと、近所の同じような物件の家賃と比較すると差があることなどが挙げられます。
さらに法律では、値上げまでの手順も定めています。最初にやるべきことは、貸主と借主の話し合い（協議）であり、その後、調停、調停でも双方の合意が得られない場合は、裁判という手順となっています。

最後に、家主から家賃の値上げを求められても、最終的な家賃の額が決まるまでは、法律上、借主は相当な金額を家賃として支払えば滞納にはなりません。
ですが、裁判で決まった家賃の額がそれまで支払っていた家賃よりも高かった場合は、借主はその不足額だけでなく、不足額について年１割の利息を支払わなければならないことになっています。